認知症:長谷川式簡易知能評価スケール

2019-11-03

長谷川式認知症スケール

今日は。
看護師あんこです。

患者さんに対して、長谷川式のテストを行ったことはありますでしょうか。

長谷川式テストとは?

問診形式により。認知症の可能性があるか調べるテストです。
確定診断には専門医による診断が必要となります。

正式名称:長谷川式簡易知能評価スケール

長谷川式テストの誘導の仕方

高齢の方・重症度にもよりますが、「テスト」と伝えると嫌がる患者さんが多くいます。
確かに、我々もテストと聞くと点数で自分が評価されるような気がして嫌ですよね。

あまり患者さんにも負担をかけないようにするために、「簡単なクイズをしましょう。」「どれくらい覚えられるのがゲームをしましょう。」などと言ってテストに参加して頂きます。

始めは「そんなことやらない!」と言っていた患者さんも何人もいらっしゃいましたが、その場合は無理に実行せずに、少し雑談を行います。その際も笑顔を絶やさずに安心感を患者さんが持てるようにコミュニケーションをとります。信頼関係の構築です。
認知症の方でご家族に依存傾向のある方は、ご家族に付き添いをお願いして同じ室内にいて頂いたり、テストに集中出来る環境を整えていく事も大切となります。

テストを始める前の準備

特に高齢者の場合は情報を取っておく必要があります。

耳が聞こえるのか・どちらの耳が聞こえやすいか・補聴器はしているのか。です。
お年寄りは耳の聞こえが悪い方が多くいらっしゃいますので、聞こえやすい方があればそちらから声を掛けてテストを行っていきます。

声が届かなければ、テストの実施すら及ばないことになり、正確な長谷川式の点数も取れない事になります。
声のトーンは落として、ボリュームは大きく、ゆっくり、はっきり、分かりやすいように話しかけます。

緊張しないよう、笑顔で声がけをして楽しくクイズ(認知症テスト)に参加出来るように工夫します。
患者さんがテストに参加出来る環境が整ったと思えたら開始。

長谷川式テスト内容

質問内容は、見当識に関する問題(場所、時間など)、計算、記憶に関する質問を行います。
質問数:計9問
正しく正解した場合:1点
答えられなかった場合:0点
満点:計30点(20点以下の場合、認知症の疑いが高い)
所用時間:5−10分程度

年齢について

「年はおいくつですか?」「○○さんは何歳になりますか?」「○○さんはおいくつになったんですか?」
*2歳までの誤差は正解とします。

日付について

「今日は何月何日何曜日ですか?」
もしなかなか答えられない場合、小さく区切って聞きます。
「今は何月ですか?」「今日は何日ですか?」「今日は何曜日ですか?」
間違っていても、否定はせずに「うんうん。」と共感するように、次の回答を促していきます。
そこで否定をすると、やる気もなくなり、集中力も切れてしまいますので、患者さんのやる気を引き出していきましょう。

場所について

「私達が今いる場所はどこですか?」「ここはどこだか分かりますか?」「○○さんが今いる、ここはどこだか分かりますか?」
患者さんによっては、病院名・施設名・地名・最寄りの駅名など、様々な答えが出る時がありますが、当たっていれば正解としています。

言葉の記憶 3つの言葉

「これから3つの言葉を言いますので、覚えて下さい。また後で聞きますね。」
「(植物)桜、(動物)猫、(乗り物)電車」
3つ一度に言うと混乱する患者さんもいますので、その場合は1つずつ一緒に声に出しておうむ返しで言って頂きます。
「桜」・「ねこ」・「電車」

計算問題

「100引く7はいくつでしょうか?」「100から7を引いて下さい。いくつになりますか?」
  ↓
答えが合っていたら、「そこからさらに7を引いて下さい」と伝えます。
間違えたり、分からなくても否定せずに、「私も計算苦手なんですよ。」と言って共感するようにしています。
この辺りで半分となります。
患者さんも疲れてくる方もいらっしゃるので、テンポよく、気分良く盛り上げていきましょう。

数字を反対に復唱。(3桁と4桁で質問します。)

「今から○桁の数字を言いますので、逆から読んで下さい。」それでも意味が分かっていないようであれば「1.2.3.と言ったら、3.2.1と言って下さい」と例を出して伝えます。3桁が言えなければ4桁は言えないと思いますので、3桁目で終了とします。

3つの言葉の短期記憶を確かめる

「先ほどお伝えした3つの言葉は覚えていますか?」覚えてなければヒントを与えます。
「植物の名前を先ほど一緒に覚えたのですが、覚えてないですか?」、
「次は動物です」「次は乗り物です」とヒントを与えていきます。

5つの物品名の暗記力

テストの実施者は、5つの物品を用意します。物品は人が日常的に使用するもの、5つ全く異なる種類の物品が良いです。
例えば、ハサミ・鍵・歯ブラシ・ペン・腕時計などです。
5つの物品を出して、「この5つの物を覚えて下さい。これからこのハンカチで隠すので覚えておいて下さいね。」
といって、その方によって、一緒に物の名前を言ってみたり、覚えていきます。
その後、ハンカチで隠したりして、見えないようにします。
「ここにあった5つの物を覚えていますか?分かる物だけでも良いので教えて下さい。」

言葉の流暢性

「知っている野菜を思いつくだけ全部教えて下さい。」と伝え野菜の名前が出てくるのを待ちます。
*10個言えたら終了
*10秒待っても名前が言えなければその時点で終了。
*0−5個:0点、6個:1点、7個:2点、8個:3点、9個:4点、10個:5点。

患者さんは、病院という環境の中で緊張感があったり、気分も良くないことが多くあります。
信頼関係を築いたり、リラックス出来るように笑顔で対応して接していけると良いですね。